住宅セーフティネット法により、いわゆる社会的弱者といわれる人たちが住宅を借りるためのハードルは以前よりは下がりました。ただし、そうした傾向の中でも精神障害者が「一人暮らしをする」「部屋を探す」という場合には、まだまだ厳しい現状もあります。なぜ厳しいのか・・・私なりに考えてみました。
理由① 精神障害者に対する無理解
一昔前と比べれば理解は広がっているという印象もありますが、いざ「契約」とか「保証」というレベルになると敬遠する不動産屋さんも多いです。かつて精神障害者と入居契約をしたが、その後トラブルが起きたので「精神障害者はみんなダメだ」という先入観ができてしまっている業者さんもいらっしゃいます。精神障害者と言っても症状の内容や重症度で皆さん違うのですが、そのことまで理解が広がるには時間がかかるようです。
理由② 伴走型の支援者が少ない
高齢者の支援では、ケアマネージャーが支えてくれることが多いですが、障害者福祉制度では、ケアマネほどの存在はいません。近年、計画相談員という制度はスタートしましたが、その待遇などの面から十分な伴走支援まではできていないように思われます。
現実はまだまだ厳しいのですが、悲観的に考えるばかりでは何も変わりません。私たちとしては厳しいことを前提としつつも「それでも何とか契約に至れないか?」「一人暮らしが実現できないか?」を模索します。こうなれば精神障害者でも確実に一人暮らしができるというマニュアルはありませんが、ご相談いただくお一人お一人の状況に合わせて最もよい方向を探していきたいと思っています。